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2010年4月23日 (金)

おだてられながら木に登る


押忍!

今月のテーマは「高いところに登る」。ところで、僕は高所恐怖症である。マンションに住む際も4階ぐらいが限界だ。ベランダに出るのが怖いから。つまり、高いところは楽しくない。でも、そのへんの木に登るんだったら? 楽しそうだ。しかも、おだてられながらだとやる気も出るはず。そんな記事です。


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よいっとな

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木の選定が重要である


高いところが怖いので、いわゆる「絶景」と呼ばれるものに興味がない。たとえば、下の写真は六本木ヒルズ展望台からの眺め。
デジカメのシャッターを押したとき、下腹部から「スーッ」という音がたしかに聞こえた


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「もし、このままビルごと倒れたら…」という想像力


というわけで、近所の公園にやってきた。言い忘れたが、1週間ほど前に酔って転んだ際、したたかに打撲した右肩が尋常ではないほどに痛い。大丈夫か。


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木はたくさんある


ざっと見渡すと、まず最初の足がかりとなるステップがない木が多いことに気づく。


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1本目の枝までいけない


しかし、1本だけ「フェンス経由で登れるかな」と思わせる木を見つけたのでチャレンジしてみよう。

なお、現場でおだててくれる人が見つからなかったので、過去に言われてうれしかったセリフを思い出して、みずからツイートします。数少ないほめられ=おだて体験を開陳しているだけなので、内容に関してはご寛恕ください。


2_2 「なんか、今日のファッション浮浪者っぽいんだけど」

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フェンスを踏み台に

 

これは先日、旧知の編集者に待ち合わせ場所で会った瞬間に言われた言葉だ。カーキ色のコートにアジアンテイストのマフラー、破れたジーパンというコーディネートが悪かったのだろうか。

というか、ほめられていない。むしろ箴言に近い。あまりにもショックだったので、つい書いてしまった。登攀にももちろん失敗。ちゃんと真剣におだてよう。


別の公園で再度アタック


気を取り直して次の公園に向かう。


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ふだんとは違う心持ちで木を見つめる


うん、ここならありそうだ。さっそくアタックすべき木を発見した。


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こちらになります


 

2_2「あしくん、なんかいいにおいするね」

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ここから脚を枝に巻き付けて…


だめだ。肩が痛い。ちなみに、このセリフは小学校の頃、校庭で梅村君に言われた言葉だ。うれしかったので今でも覚えているが、ちょっとパンチが足りないうえに若干隠微な香りもする。「あしくん」とは当時のあだ名。「いしくん」が転じたものと思われます。

次。お、あの木なら行けそうだ。


2_2「ライターさんの中でたきびさんの文章がいちばん好きです」

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さりげなく登攀成功


これは、『R25』編集部の中村ちゃんに言われた言葉。彼女はいま、編集部を辞めて「世界婚活」という複雑なコンセプトを掲げた海外一人旅に出ている。健闘を祈ります。

とはいえ、成功とはいえないぐらいの低さだ。引き続き登ります。おだてられながら。


2_2 「へえー、走り屋〜」

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V字ポーズで次のステップを探る


これは大学時代にバイトしていた学習塾で、「バイクを飛ばして家からここまで15分で着いた」と言ったとき、それを聞いた中2の女子生徒(名前は忘れた)がつぶやいた言葉。「走り屋ではないけどなあ」と思いつつも、なんとなく嬉しかった記憶がある。

しかし、V字になった時点でどうにも動けなかった。


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あ、これなら


2_2 「ふつうは『さん』か『ちゃん』を付けて呼ぶけど、石原のことは好きだから呼び捨てなんだ」

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ここまでいけた


これは、高円寺のバーのマスターに言われた言葉。しかし、彼はカウンターの中ですでに酔っぱらっていたので、あまり信憑性はない。そのせいか、この地点以上は進めなかった。怖くて。

登り方についても研究してみた。たとえば、レスキュー訓練などでよく見るこんな方法はどうだろう。


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蠕動(ぜんどう)運動でするすると


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しかし、カメラを引くとこういう状況

 

「木を見て森を見ない」ことの重要性


高みに登れば、すてきな風景が見えるはず。しかし、なかなか難しい。


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たわわに実るみかんも食べられる


一方、仔細に観察することで木そのものの魅力を再発見することができた。いわば、「木を見て森を見ない」視点だ。

 

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四方に伸びる美しい枝ぶり


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なぜ穴が開いたんだろう


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ハート型のうろ



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猿も滑るというサルスベリの木


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木の股からこんにちは


木の上でやりたかったことを実行する


よし、次の公園に行こう。広さはこれまでで最大。肩を痛めた僕にも登れる木が必ず見つかるに違いない。


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かなりの勢いで雨が降ってきました


園内を探すこと数分、運命の木はあった。幹がぼこぼこしており、足をかけるのにちょうどいいのだ。さっそく自分をおだてて鼓舞する。


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あのあたりを目指して


2_2 「清志郎に似てますね」

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おあつらえ向けのこぶを足がかりに


これは、本当にいろんな人から言われた。自分ではまったくそう思わないし、清志郎のことは好きすぎて恐れ多いのだが、嬉しいことには違いない。

ご本人にも仕事で何度かお会いしたことがあるが、緊張しすぎて、唯一交わしたやりとりが「清志郎さん、それ何ですが?」「万歩計です」だったことが今となっては悔やまれる。


2_2 「いっしょにいると、なんかおしゃれな気分になる」

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ぐいぐいっと


これは以前好きだった女の子の言葉。今も昔も、自分の中にはおしゃれ要素はまったくないと思っていたるので、意味がわからずびっくりした。これからも、なるべく浮浪者に見えない服装を心がけたい。

しかし、肩が痛い。負傷している左肩をかばって、右腕一本でヒットを打った鉄人金本の気分である。


2_2 「キミの英語は上手だね」

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の・ぼ・れ・た!


20歳ぐらいの頃、一人でギリシャを旅行しているときに、レストランの呼び込みのような店員男性に「たいていの日本人はダメだけど」という前置きとともに言われた。以来、自分は英語がうまいと信じている。まったく話せませんが。

かくして、いろんなおだてに乗って自分史上最高地点への登攀に成功した。写真で見ると大したことがないように見えるが、これ、上から見下ろすとかなりの恐怖なのだ。

さっそく、木の上でやりたかったことを実行する。


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ウクレレを弾き


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猿になる


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[まとめ]

簡単そうに思えた木登りだが、じつは難しい。肩さえ痛めていなければ、もう少しいけただろうか。そして、「木を見て森を見ない」視点が重要なんだなということと、おだてパワーの偉大さについても再認識した。以降の人生も、自分で自分をほめながら生きていきたいと思います


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猿も木から下りる


2009年3月19日 (木)

いろんなものに糸をつけて操り人形だと言い張る


押忍!

今月のテーマは「過去の記事を真似する」という大胆なもの。しかし、愛をもってパクれば、それはリスペクトでありオマージュなのだ。また、先人が拓いた道をたどる過程で記事の魅力を再発見できるかもしれない。

というわけで、僕は月曜ライター・櫻田さんの「ミカンに糸つけて操り人形だと言い張る」を真似することにした。楽しそうだから。


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傀儡劇団結成夜露死苦!!


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まずはヌイグルミから


彼はいきなりニンジンにエロティックな演技を強いていたが、今回はストレートに人形的なものから始めたい。


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カンガルーの親子


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オセアニアンキック!!


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最終的にはママの袋にin


ちなみに、この寸劇のタイトルは「だけどやっぱりママが好き」です。うーん、わりとふつうなかんじになってしまった。関節がないので動きも平坦だ。次は無機物でいこう。



おなじみの文房具を操る


勧誘したのはホチキスとハサミ。一見地味だが、関節もあるし、がんばれば擬人化もできそうだ。操りがいのある劇団員たちである。


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ホチキス

 

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ハサミ


彼らは口を揃えて「俺ら実直なんで面白いことできないっスよ」と言うが、あくまでも「言い張る」企画なので問題はない。

 

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ガチャガチャと寸劇を披露


タイトルは「開く」。ホチキスが芯奥部を開陳すると、ハサミのカテナチオは静かに開いた。一方の操り手である友人はノーコメントだったが、個人的には非常にスぺーシーかつステーショナリーな舞台になったと思う。



最後はやはり人間で


ここまでやってきて、糸をつけてモノを操るのは非常に難しいことがわかった。ならば、人間ではどうだろう。櫻田さんもラストでやろうとして、踏みとどまった領域だ。


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さて


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およ


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およよよ


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[まとめ]


あと100人ぐらいで真似すれば「操り人形ポータル」ができるんじゃないか。それはかなり見たい。そして、いま記事を書き終えてほとんど話したことがない櫻田さんのことを好きになっている自分がいた。「真似をすると好きになる」。これが今回最大の収穫だったのかもしれない。


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操り部隊は海水浴に行ったメンバーでした




2008年8月21日 (木)

海水浴の思い出を胸に青い人になった


押忍!

海のない岐阜県に生まれ育ち、その後もパッとしない遊び方をしてきた僕にとって海はまぶしくも遠い存在だ。同時に「砂が熱い」「こんぶが気持ち悪い」「沖に流される」というマイナスの印象も脳裏に深く刻み込まれている。

しかし、食わず嫌いという言葉がある。偶然にも今回のテーマは「夏の思い出」。地元・高円寺の友人たちに誘われるがまま、海水浴というものに行ってみた。夏の思い出を作りに。


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小学生以来の海水浴なのだ

電車とバスを乗り継いで2時間。着いたのは三浦半島の和田浜海岸というビーチだった。アクセスがあまりよくないせいか、ハイシーズンにもかかわらずそれほど混んでいない。


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年齢も仕事も好きなタイプもバラバラの4人組


海水浴はじつに小学生の頃の家族旅行以来だ。下の写真がそれである。左は妹である。なぜ舌を出したのかは忘れた。


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福井の敦賀かどっかだっけな


ともあれ、さっそく海パンに履き替えて海に入る。夏の思い出を作らないと。


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ゆったりとした波に揉まれ

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潜ったり潜らなかったり

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砂に埋められ(それほど熱くなかった)


結論から言おう。めちゃくちゃ楽しかった。ビールも飲んだ。帰り際に全員の荷物を預けて置いたロッカーの鍵が紛失し、他の3人に「石原さんじゃないか」と疑われて大人げなく半ギレするという微笑ましい一幕もあったものの、これならもう一度来てみたい。


翌日、海が恋しくなり

翌日、早くも青い空と青い海が恋しくなった。しかし、海は遠い。ならば、いささか唐突ではあるが自らが青い空、青い海になってみよう。少しは海水浴気分に浸れるかもしれない。


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オールブルーのコーディネート

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クロックスのニセモノでリゾート感を演出


ズボンはもう少しトップと色を揃えたかったが、まあ青は青である。さっそく街を歩いてみた。そぞろ散策する。喫茶店でかき氷も食べた。しかしーー。


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僕、きのう海水浴に行ったんですよ

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ブルーハワイがなかったのでレモンを注文


だめだ。あの抜けるような青空の下で感じた開放感は得られない。街に溶け込めない。正確にいえば浮いている。


青一色のあの場所へ

焦りを抑えつつ、オールブルーで溶け込める場所に移動することにした。着いたのは西武ドーム。そう、西武ライオンズのチームカラーはブルー。ここなら皆がやさしく迎えてくれるだろう。


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西武ライオンズ VS ソフトバンクホークス


球場に入り、まずは内野席で様子を伺う。先発は西武が西口、ソフトバンクが新垣。オリンピックの裏で思いがけぬエース対決だ。


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あ、新垣が暴投した


視線を横に向けると外野席に西武の応援団が。ホームゲームのユニフォームは白地だということを思い出したが、キーカラーはやはり青である。随所で青色が目に入った。


一体感の最高潮で風船を飛ばす

そうそう、7回裏の攻撃が始まる前には恒例の風船飛ばしがある。急げ。導かれるように彼らが待っている(気がする)外野席に移動した。


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風船を手にその瞬間を待ち構える西武ファン


7回の表のソフトバンクの攻撃が終わった。1塁側外野席はゆっくりと盛り上がっていく。高らかに応援歌が流れる。もうすぐだ。売店で買った青い風船を慌ててふくらます。


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ピィィイイイー


満足した。もともと僕は中日ファンだが、その次に好きな球団が西武である。今シーズン、中日の優勝の目はない。一方、西武は首位を独走している。最近は選手の名前もめっきりわからなくなってきたが、これを機に西武を応援したいと思う。

試合のほうはソフトバンクの先発・新垣のプロ野球ワースト記録となる5 暴投もあって、7対1で西武が大勝した。


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ソフトバンクの拙攻も勝敗を左右したか


[まとめ]

海ではずっと夢を見て安心してた。ケンカしたり仲直りしたりもした。また、日焼け止めもサンオイルも塗らなかったため、いま背中の皮がぼろぼろ剥け始めている。でも、海はよかった。これまで敬遠してきたものの中に、大魚がいたのかもしれない。次は酒席での乾杯に挑戦しようと思う(いつもしないので)。


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帰りの電車はまだかしら