ギャンブル

2010年5月21日 (金)

高円寺で行ったことのある店を数えてみた



押忍!

今月のテーマは「数える」。わたくしごとですが、東京・高円寺に住んで6年。この町でご飯を食べ、お酒を飲み、洋服を買い、髪を切ってもらう日々だ。そこで、ふと思った。行ったことのある店って何軒ぐらいだろう。それがわかったからといって何の役にも立たないと知りつつ、興味本位で数えてみることにした。


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100軒ぐらいかな?


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「数取器」でテンションが上がる


まずは駅周辺から攻める。調査エリアはアバウトに駅から徒歩10分圏内。対象は「何らかの商品やサービスに対してお金を払った店」のみ。ふらっと入っただけの店はカウントしない。


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100軒ぐらいなのか?


右手には、今回の調査のために購入した数取器。これだけで気分もずいぶん変わるというものだ。


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手のひらにジャストフィット


駅周辺には行ったことのある店ばかり


では、始めよう。駅前のドラッグストアにはたいてい入っている。花粉症のクスリやウコンの力を買うのである。


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ねじめ正一の小説で有名になった「純情商店街」


「バーボンハウス」は、高円寺に引っ越してくる前からつきあいのある飲み屋だ。近年は同じ高円寺にタコス屋も展開している。マスターは僕と同い年なのにえらい

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タウン放送でユニークなボイス広告を流すことでも有名


この「かみや」も何度か行ったなあ。というわけでカチッ。


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酒飲みの哀愁をうたう都々逸


この陶器屋は以前書いた記事で皿を購入した店

 

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お世話になりました


時々、食べた記憶のないラーメンがデジカメに写っていることがある。そういう場合は、たいていここのこってりラーメンだ。酔うと無性に食べたくなる。


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お世話になっております


予想外のハイペース


ウロウロ歩き回りながらカチカチやったところ、カウンターは115を示している。なんだこのペースは。

 

115
すでに100軒超え


びっくりしたので、昼食をとることにする。


 

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ベトナム料理の店


ここ「チョップスティックス」は生麺のフォーを使っているのがウリでございます。

 

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フォーのつけ麺うまい


腹ごしらえもすんだところで、調査を続行する。

 

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ピンクのお店には行かないなあ


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この路地奥も未開拓


ただ歩き回るだけではつまらないので、途中途中でアトラクションを加えてみた。

 

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なじみのカフェの店員さんと談笑したり


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たわむれにサングラスをかけたり


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ゲームセンターに入ったり



店にはいろんな「系」がある


ところで、ひとくちに「店」といっても様々なジャンルに分かれる。


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食べる系

 

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ファースト系

 

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おしゃれ系


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ライブ系


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いろいろ系


ちなみに、これらもすべて「行ったことのある」店だ。カウンターは順調に数字を刻む。


いよいよ感動のフィナーレ


そうこうするうちに日が暮れてきた。歩きすぎて脚が痛い。押しすぎて指も痛い。


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高円寺は外飲みパラダイスでもある


赤提灯の誘惑に抗いつつ、ラストスパートをかける。

 

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心温まるガード下の風景


かくして、調査は終了した。僕が一度でも行ったことのある高円寺の店は431軒だった。

 

431
予想の4倍以上

 

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[まとめ]


念のため、調査結果を店のジャンル別にまとめみてた。「その他」を除けば113軒を数えた「居酒屋・バー」がトップにきている。そんなに行った覚えはないのだが、数字は冷徹だ。健康のことも考慮して、今後は「洋服屋」「書店」あたりの軒数を伸ばしていきたいと思います。

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2009年10月23日 (金)

「元彼との思い出の喫茶店」をちょっと見てきた

押忍!

今月のテーマは「『ちょっと見てきて』を見てくる」です。すっかりおなじみになったこのコーナー。どこを見てこようかしらんと一覧を眺めていると、お、高円寺の案件があるではないか。しかも、甘酸っぱいドラマ性が見え隠れしている。さっそく、見てきた。

 

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奥の段ボールタワーはこの後崩れ落ちました


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元彼との思い出の場所


下は「ちょっと見てきて」のトップ画面。たとえば、「小学生の頃によく行っていた駄菓子屋が今どうなっているか気になる」という投稿に「まだありました!」と写真付きの回答が届く。

無償の愛である。すばらしい。

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いわば、思い出の互助会

ところで、どうせ見に行くなら、まだ回答が付かないものにしたい。「なかなか見てきてくれない」で検索すると、意外にも自分の住む街にこんな投稿があった。

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あ、高円寺

「20年ほど前にお付き合いしていた彼のお母様がやっていた喫茶店です。現在その彼が飲み屋を継いでいる噂を聞いたので、どなたか見てきていただけたらうれしいです」(ロコちゃん さん)

投稿日は2009年5月24日。近くに住んでいる人も多いはずなのに、なぜか5カ月経った今もレスポンスがない。

「元彼」「思い出」「喫茶店」。短いセンテンスに胸を揺さぶるワードが散りばめられている。よし、ここにしよう。


商店街の突きあたりにその店はあった

しかし、20年前ということは投稿者はすでに40代ぐらいか。なんで別れたんだろう。喫茶店では何を注文していたのかな。様々な妄想を膨らませつつ、南口商店街を歩く。

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地図によればこの先の左側に…

駅から歩くこと10分。商店街が途切れる手前に、その店はあった。

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奥の台車に注目

ふと前を見ると、段ボール箱を台車に乗せて運ぼうとしているスーツ姿の男性が。タワーが高すぎて不安定なことこの上ない。

この写真を撮った1秒後、段ボールタワーは派手に崩れ落ちる。積み直すのを手伝ってあげた。

取材依頼書を見せるも


「BAR 10Point」。じつはこの店、前を通るたびに気になっていた。19時のオープンと同時に飛び込む。


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われ潜入せり

入ってみると、いわゆる正統派のバーだった。マスターは40代ぐらいで、短めの髪にブルーのシャツ。間違いない、この人がロコちゃんさんの「元彼」だ。

まずは気を落ちつかせようと生ビールを注文。お通しにパイナップルが出てきた。おいしい。


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カクテルメニュー


壁の大画面テレビはクイズ番組を放送している。ビールを半分ぐらい飲んだとき、マスターが話しかけてきた。「このへんにお住まいなんですか?」「あっ、はい、北口ですけど」

 

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フードメニュー

今しかない。意を決してあらかじめ作っておいたA4の取材依頼書を見せた。

「じつはニフティが運営しているインターネットのサイトで(中略)…ということで今日は伺ったんですよ」

マスターは取材依頼書を一瞥しただけで、黙って僕の話を聞いている。テレビでは誰かがおかしな回答をしたようで、わっと盛り上がる音が聞こえた。


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出窓に置かれた色とりどりの酒瓶たち


最後に「もちろん、プライベートなことなので話せる範囲で結構です。なるべくお店の宣伝になるようにもしますので」と言うと、マスターがようやく口を開いた。

「うちはそんなに宣伝するつもりもないんでねえ。でも、この方のことは誰だかわかりました」

あっ、わかりますか。失礼ですけどマスターのお名前は?

「いやあ、それはまあいいじゃないですか。当時のことはとくに言うこともありませんけど、今のお店についてならお話ししますよ」

淡々とした語り口調だが、どうやら気分を害しているわけではなさそうだ。「店の写真はいいが顔などはNG」という条件で取材OKをもらった。

 

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有馬記念のポスター

では、質問させてください。このお店ができたのはいつですか?

「18年前ですね。母がやっていた喫茶店を閉めることになって、そのまま引き継ぐかたちで。内装はがらっと変えましたけど」

店名は馬の名前から?

「そう、テンポイント。好きだったんです。今の若い人は知らないだろうなあ」

僕もうっすらと覚えていただけで、壁のポスターで「もしや」と思ったのだ。お母さんがやられていた喫茶店というのは、どんなお店だったんですか?

「うーん、まあふつうの喫茶店でしたね。当時、僕はデパートで働いていて、店にはほとんど来なかった。母ですか? ええ、まだ元気ですよ」

デパートを辞めてこのバーを出すに至った経緯は「いろいろあったんでね。ひとことでは言えません」とのことだった。

 

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すりガラスの意匠

聞けば、マスターは現在44歳で独身。体は至って健康。そして、20年前、ロコちゃん さんと交際していたのも事実だという。

すみません、大変失礼なことを聞きますが、もしかして、それが気まずいというかイヤな思い出ってわけではないですよね?

「あはは、そんなことはないですよ。ちゃんと彼女でしたから」

それ以降、結婚しようと思ったお相手はいましたか?

「そこまでは言えませんよ(笑)」

それはそうだ。まだ会って15分の初対面の男にそんなデリケートな話をできるわけがない。


ロコちゃんさんをイメージしたカクテルを


突然の奇妙なオファーにもかかわらず、真摯にお付き合いいただいた。ここまで聞いた話で「ロコちゃんさん、マスターは元気でしたよ」とまとめよう。そう思って勘定をしかけた瞬間、ふとあるプランが頭に浮かんだ。

マスター、最後にロコちゃんさんに何かカクテルを作ってもらえないですか?

ここにいない人には作れない。そう言われるかと思ったが、「あはは、カクテルねえ。いいですよ」とあっさり受けてくれた。

ほどなくして、出てきたのがこれだ。

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20年の時を超えて

「コスモポリタン。ウォッカをクランベリージュース、ライムジュース、コアントローでシェイクしたショートカクテルです」

ひとくち飲むと、こっちを見ていなかったはずのマスターが「ちょっと強いでしょう」と言った。ウォッカの刺激とクランベリー、ライムの酸味が複雑に交わっておいしいです。そう答えた。

いつの間にかテレビの電源は落とされ、BGMはビル・エヴァンスの『枯葉』に変わっていた。

 

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カクテルを飲むのなんていつぶりだろう

ちなみに、コスモポリタンとは「世界を駆けめぐる国際人」という意味。生まれてから高円寺を出たことがないと言っていたマスターが作ると、また味わい深い。なぜこれにしたのかは、あえて聞かなかった。

最後に、「店のことは石原さんが客観的に見たり感じたりしたことだけを書いてください。僕はあまり『こういうスタンスでやってます』とは言いたくないので。お酒のことをあれこれ語るのはナルシストっぽくて嫌なんです」と言われた。

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[まとめ]

ロコちゃんさん、いかがでしたか。お二人の間にどんな思い出があるかはわかりませんが、おかげで思わぬ楽しいひとときを過ごすことができました。ありがとう。そして、これを読んだら近所のバーかどこかで、ぜひコスモポリタンを飲んでみて下さい。

なお、後で「見てきた」のほうにも投稿しておくので、そちらも合わせてご高覧を。

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ドリンク500円〜、チャージ300円

<BAR 10Point>
杉並区高円寺南2-20-5
19時〜2時
日祝休


2009年1月22日 (木)

犬で闘牛

押忍!

今月のテーマは「牛」。牛といえばスペインなどに伝わる「闘牛」を一度見てみたいと思っていた。猛る雄牛の突進をギリギリでかわすスリル。スペインでは国技になっているほどだが、近年は動物愛護団体からの抗議を受けて国営放送が闘牛の生放送を中止。観光客も減り、衰退の一途をたどっているらしい。

動物は愛護したい。だから、興味があるのはかわす部分だけだ。あの興奮をなんとか手軽に体験する方法はないものか。

そうだ、牛の代役に犬を立てればいいではないか。さらに、より臨場感を増すために見る側ではなく闘牛士のほうになってしまおう。さてさて、わたくしの華やかなムレータ(赤い布)さばき、とくとご覧あれ。

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オーレッ!!

 

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フレンチブルドッグで失敗

まずは身近なところから。高円寺にある美容室「aletta」のマスコット犬、さつきちゃんにご登場願おう。2才のフレンチブルドッグである。極度の寒がりだそうです。

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冬はきらい

彼女は女の子なので猛々しく突進する行為には抵抗があるかもしれない。そもそも、さっきからぶるぶると震えっぱなしだ。飼い主経由で企画趣旨を説明し、なんとかご協力いただくことにする。

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なんだこれ

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あそぼうよ

だめだ。じゃれてしまう。リードを離して挑戦してみたが、さつきちゃんはムレータを避けるように走っていってしまった。

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オーレ…

近所の喫茶店でコーヒーを飲みながら作戦を練り直す。やはりメスは向いていないのか。そもそもフレンチブルドッグは小さすぎた。大型犬、それもできれば気性の荒いオスがいい。

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オバマ就任式か。Yes, I can.



入念なシミュレーション

ほどなく、情報本部(喫茶店)で頭を抱える闘牛士に「代々木公園に犬の遊び場『ドッグラン』がある」という情報が入った。ここなら理想の犬に会えるはずだ。よし、向かおう。

と、その前に来るべき決戦に備えてシミュレーションをする。犬に求めるのは大きさとスピード感。4枚の連続写真で見ていただきたい。

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この感覚を忘れないようにしたい



「ドッグラン」周辺でスカウト

さっそく代々木公園へ。向かう途中で仕事の電話が入った。昨日送ったFAXが送信エラーだったという。詫びて近くのコンビニから再送する。

Fax
闘牛士は副業です


そんなこんなで、着きました「ドッグラン」。なるほど、平日の昼だというのに大勢の人間と犬が走り回っている。どの犬も毛並みがよくて高そうだ。犬同伴者以外は立ち入り禁止なので、ゲージの外でスカウトすることにしよう。


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リードなしで駆け回れる犬天国

最初に見つけたのがヨークシャーテリアのジェロ君。飼い主のおじさんに聞くと「オス」だという。よかった。体躯の小ささはスピードでカバーしてほしいものである。

しかし、結果はやはり赤い布に反応してじゃれてしまう。ジェロ君は生後4カ月。好奇心旺盛で社交的な性格だった。


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社交的な性格が裏目に出る

次に出会ったのが1才半のゴールデンレトリバー、アイちゃん。メスだが、この大きさは非常に魅力的である。

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敵か味方か

ママさんは「この子おとなしいからうまくいくかしら」と心配するが、ムレータの背後から呼んでもらえば、うまい具合にくぐり抜けてくれるのではないか。


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ステイ!

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アイちゃん!

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オーーーーーーーレッ!!!

やった! ムレータをかすめるようにではあるが、アイちゃんはたしかに駆け抜けていった。脳内コロシアムの観衆からは割れんばかりの拍手。人間と犬の真剣勝負がそこにはあった。



「牛神社」に成功の報告


アイちゃんのおかげで積年の夢をかなえることができた。ありがとう、アイちゃん。Yes, アイ did.

満足した闘牛士は神牛が祀ってある平河天満宮(千代田区)に出向き、成功の報告をした。同時に、全世界の牛のますますの発展と多幸を祈願したのであった。


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左奥に神牛の背中が

お参りのあとは、戦いの疲れを癒すために一杯飲み屋へ。冷えた体を熱燗で温めたのであった。

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意外となじむ闘牛士



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[まとめ]


不穏な依頼にもかかわらず、今回声をかけた人には一度も断られなかった。
そういう意味では犬の飼い主および犬の寛容さと自由さに驚かされた記事でもある。ありがとうございます。代々木公園の「ドッグラン」周辺、天気のいい日には散歩にぴったりですよ。


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カラスは言うことを聞かない

●衣装協力:ビッグキッズ(http://www.bigkids.co.jp/
東京都大田区山王1-4-3 橋本ビル4F

TEL. 03-3777-0707



2008年10月23日 (木)

「焚火カフェ」にようこそ!


押忍!

半年ぐらい前、何かの雑誌記事で「焚火カフェ」というものがあることを知った。浜辺でたき火を囲みながらのんびりとコーヒーなどを飲めるという。

奇しくも今回のテーマは「リラックス」。行くしかない。胸中に火を燃やしつつ、湘南新宿ラインに乗り込んだ。


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「焚火カフェ」をめざし、西へ西へ

着いたのは神奈川県の逗子。数日前の天気予報では雨模様のはずが、みごとな秋晴れだ。拝火教の神の計らいに違いない。


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小学生もうなだれるほどのたき火日和


当たり前だが、たいていの駅前にはたき火ができるスポットはない。ここからバスに乗ります。

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平日の午後なのでお年寄りと子供しかいない


バスに揺られること20分。「久留和海岸」というバス停で降りた。目の前はすぐ海。胸中の火も消えていない。

目指すは徒歩2分の距離にある「3knot」というショップ。ここでは、キャンプ用品や海遊びのグッズなどを販売している。そして、「焚火カフェ」とはこのショップのオーナーが開店とほぼ同時に始めた小粋なサービスなのだ。


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「3kont」外観。左のサッシが入り口です


中に入るとオーナーの寒川一さんが出迎えてくれた。今日はよろしくお願いします。


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オーナーの寒川さん(45歳)


「あっ、よろしくお願いします。じつは高1の息子がポータルZさんのファンなんですよ」

およよ、そうですか! 息子さんもやっっぱりたき火好きですか?

「いえ、たき火はもっぱら僕専門で。息子は映画が好きみたいで自分で脚本を書いて撮ったりしてるようですね」


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「二本足寝袋」は1万7640円


ショップ内を見渡せば、さして広くはないスペースに遊び心あふれるグッズたちがぎっしりと陳列してある。なかには、ミニコミ『野宿野郎』編集長も推奨する「二本足寝袋」も。編集長は「お巡りさんに注意されたとき、すぐに逃げられるので便利」と言っていた。


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たき火業界のバイブル『焚き火大全』ももちろんあります(非売品)


いよいよ、浜辺のたき火スポットへ

そんなこんなで、さっそく浜辺に繰り出すことに。「ちょっと待ってくださいね。いまカフェセットを持ってきますから」と寒川さん。


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これが焚火カフェセットだ!


店の脇の坂を下り、浜辺に向かう。あっという間に到着。近い。


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静かな浜辺、おだやかな秋の海


寒川さんが手際よく点火準備を行う。紙くずの上に木ぎれを載せれば完了だ。


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「さっそく点火しましょう」


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「点火しました」


さすがプロ。話が早い。火はすぐに安定した。ちなみに、僕が主宰する「たき火の会」は「日没とともに点火」が通例だが、まだ明るい夕暮れ時のたき火もいいものです。

次に、葉山の「THE FIVE BEANS」というコーヒーショップにオーダーメイドしたという「焚火ブレンド」をいただく。なるほど、たき火のスモーク風味が香る。


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「焚火ブレンド」1ポット1000円


続いて、ダッチオーブンでじっくりと蒸し焼きにした「焼きリンゴ」。うめえ。


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左の分福茶釜みたいなやつがダッチオーブン


最後にマシュマロを焼く。手元でくるくる回転させられる特製フォークに突き刺してぐるりグリルする。そういえば、たき火というとみんなマシュマロを焼きたがるんですが、あれなんでですかね? 「バーベキューの本場、アメリカでは定番みたいですよ」

 


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ぐるりグリル


寒川さんいわく「大々的に宣伝しているわけではないので、今のところこのカフェを利用するお客さんは月に2、3組。でも、リピーターは多いですね。なかには『噂を聞いて広島から来ました』という女性3人組もいましたね」とのことだ。


火を囲んでしばし歓談タイム

腹もこなれて落ち着いたところで、しばしの歓談タイム。そもそも、なぜこういうお店をやろうと思ったんですか?

「もともとは東京の玩具メーカーで働いてたんですが、あるときふらっと会社とは逆方向の電車に乗ってみたんです。で、着いたのが三崎口という三浦半島の先っぽの海水浴場。はだしになって日暮れまでボーッとしてましたね。スーツ姿は僕だけでしたけど(笑)」

あらら、怒られましたか?

「次の日、会社で上司にありのままを正直に報告したら、意外にもとくに怒られず。この小事件が大きなきっかけでしたね」


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「続き、聞きますか?」


「で、それからずいぶん後にたまたまネットサーフィンをしていたら、どこかの不動産屋のサイトに迷い込んだんです。そこで見つけたのが今の物件」

いわゆる一目惚れで?

「いえ、買う気はまったくなかったんです。でも、なぜかどうしても実物を見たくなって大ざっぱな住所を頼りに探しに行きました。ウロウロしているところへ7匹のダックスフントを連れた青年に声をかけられて。『この辺はいいですよー』って」

7匹のダックスフントの魔法にかかった寒川さんは、その日のうちに不動産屋に会い、図面だけ見た段階で契約書にサインをする。そして、まったく別の人生が始まった。


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人生って不思議ですねえ。「そうだねえ」


日もだいぶ傾いてきた。犬の散歩で通りかかる人が多い。中には親しげに声をかけてくる人もいる。「いまの人は誰ですか?」と寒川さんに聞くと「知らない人(笑)」とのことだった。


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一瞬の逢瀬を照らす秋日かな


やがて太陽は沈み、たき火の明るさが際立つ。ふと、「今までのベストたき火はどこでしたか?」と聞いてみた。「うーん、メキシコのバハ島かな。無人島なんだけど、降るような星空とたき火の炎がこの世のものとは思えないほど美しかったなあ」


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合い言葉は「ナイスファイヤー」


結局、16時から19時過ぎまでたっぷり3時間以上、たき火を囲んでいろんな話をした。寒川さんは持ってきた薪をきれいに燃やしつくしてから帰る主義だという。そして、きっちりと燃えつきて思い出したように寒さを感じた頃、たき火は終わった。

「今までいくつか取材を受けましたが、最期までつきあってくれた人は初めてです」と笑いながら、たき火マスターは腰を上げた。


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[まとめ]

僕には兄はいないが、何となく兄と話しているような不思議な距離感だった。これが、喫茶店やオフィスでの対面取材だったら、こうはならないだろう。日が沈む直前、海面をひと筋の光がまっすぐに僕らのほうに伸びた。寒川さんは「あ、太陽の道だね」と言った。

 

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「太陽の道」出現


●取材協力:「3knot」
神奈川県横須賀市秋谷4271-15
tel.046-845-5550

http://www.3knot.com/
薪、たき火台、テーブル、イスなどの「焚火セット」は1500円/人、その他飲食類は別途



 

2008年1月12日 (土)

「もっとも悪い運勢」は回避できるのか


押忍!

超夜型生活なので朝日がのぼってから床につくこともよくある。で、就寝前になんとなく見てしまうのが「めざましテレビ」の占いコーナー。

僕はおひつじ座なんですが、これがなぜか絶好調で、今まで見てきた限りでは12位、すなわち「今日もっとも悪い運勢」になったことがない。たぶんないと思う。ないんじゃないかな。ま、ちょっと覚悟はしておけ。関白宣言か。

ところが…先日ついに12位だったんですよ。昔から占いの類はきらいだけど、高島アナに悲しそうな顔で「今日もっとも悪い運勢です」と言われるとへこむ。


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ショックのあまり画撮できなかったのではめ込み合成


「自己中心の行動に批判が集中。頑張っても周囲は冷たい視線。理想ばかり追わず現実を見て」

このままだとひどい一日になりそうだが、救いの手も差し伸べられている。高島が言うには「謙虚な気持ちで過ごすこと」が大事。また、おまじないが「手のひらのツボを押す」、ラッキーポイントは「温湿布」。

どちらもふだんの生活で縁のないものだが、この際、信じてみることにした。素直に信じることによって「もっとも悪い運勢」を回避できるのか。これが今回検証したい“ささやかなギモン”です。


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まずは温湿布を買いに近所のドラッグストアへ


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あった!


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貼った!


お腹のまわりがホクホクする。当たり前だが「温湿布を貼ると温かい」ということに気づかされた。


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次に手のツボを押してもらうために中野ブロードウェイへ


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あった!


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押してもらった!


「手のひらを重点的にお願いします」と頼む。先生いわく、「手のひらはいろんなツボが集中してますからね」。場所によってはかなり痛い。「いてててて」とうめくたびに、先生の声が急にささやき声に変わって「大丈夫ですか?」と聞いてくるのでドキドキした。20分ぐらいで2100円。


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下から見た図


「温湿布」「手のひらのつぼ」という2つのポイントは押さえた。もう大丈夫だろうとは思うが、念のため「謙虚さ」も神様にアピールしておきたい。


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ふだんは赤でも渡るが今日は信号遵守で手も上げて


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駅のホームでも列の最後尾に並ぶ謙虚さ


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タクシーの運転手さんにはねぎらいの言葉を


「禁煙になっても『吸わせろ』というお客さんがいて困るでしょう」とやさしく声をかけると、「いやあ、かわいそうなので私は吸ってもらっちゃいますけどねえ」とのこと。懐の深い人だ。

新宿で打ち合わせを済ませて今日の仕事は終了。ちょっと1杯という気分になり、一人で高円寺の飲み屋へ。あとで友人も合流することになった。


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飲む


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飲む


3軒めで隣に座ったおじさんに日本酒の熱燗を一気飲みさせられたあたりから妙なテンションになり、日付が変わる頃には記憶が飛んでいた。友人と合流する約束もすっかり忘れて。

翌朝、目が覚めると携帯に友人からの着信数回と非難のメール。そして、ポケットの中からこんなものが。


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ナゾの領収書


昼間に乗ったタクシーはワンメーター。こっちのほうの記憶がない。しかも7000円って。どこまで行ったんだろう。そもそも高円寺で飲んで高円寺の家に帰るのにタクシーは使わない。そのへんを1時間ぐらいぐるぐる回ったんだろうか…。


[まとめ]

まさに占いが警告していた「自己中心の行動」が最後になって現れた。しかし、温湿布と手のツボ効果はどうした。やはり占いは当てにならない。そう結論づけようとしたが、よく考えれば記憶が飛んだのは午前0時を過ぎてから。ハッと思い、翌日の占いをチェックしてみると、おひつじ座は「約束を忘れ信用DOWN。素直に謝れば仲直り可能」。まずは友人に謝ることにします。