おいしそうな写真
押忍!
今月のテーマは「おいしそうな写真」。しかし、おいしいものをおいしそうに撮るのは、当たり前でつまらない。たとえば、一見おいしそうではないものをお皿に載せると、おいしそうに見えるのではないか。そんな思いつきを検証してみた。
このお皿の上が今回の舞台となる
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おいしい食べ物はあまたあれど
ふだんから、おいしいものを食べたときは写真を撮るようにしている。人に見せてうらやましがらせたいからだ。
阿佐ヶ谷「コケコッコー」の炙りしめサバ
新宿御苑「桃の木」のつけ麺
いずれもびっくりするぐらいおいしかった。だから、おいしそうに撮れていると思う。しかし、今回自分に課したミッションは、「おいしそうではないもの」、もっと言えば「食べ物ではないもの」をおいしそうに撮ることである。
公園のテーブルをセッティング
撮影場所に選んだのは近所の公園。おいしそうな写真を撮るにあたって、自然光は重要な要素だ。
平日ゆえ人は少ない
空いていたテーブルにランチョンマットを敷き、おもむろに昼餉のセッティングをする。
準備は整った
さて。このお皿の上に、きまぐれシェフがいろんなものを盛りつけていきます。
何かが足りない
前菜はこちら。先日実家に帰省した際、妹の娘(5歳)に「男の子がピンクを持つのはおかしい」と糾弾されたマイ携帯電話だ。ウケ狙いで選んだものの、若干後悔している。

フルーティーな色合いが食卓に映える
おいしそうに見えないこともないが、どうもボリュームが足りない気がする。次に、家の固定電話を載せてみた。

よく考えたらこれ、もう15年以上使ってる
コードが大胆にはみ出してしまった。ならば、ちょうど収まるサイズといえばこれか。
ヘッドライト
そして、ピストル
うーん、ひとことで言えばどちらも硬そうだ。もう少し丸みを帯びた形状のほうがいいのかもしれない。
けん玉
あ、これはちょっとおいしそうかも。新タケノコにプチトマトを添えた風情がある。
グローブとボール
ヤシガニの腹中にゆで卵を挟み込んだイメージ。

スナフキン
食卓の必需品、ナプキンと掛けた。「お菓子の城」的なたたずまい。
テーマを持たせてみる
様々な発見はあったものの、まだ心の底から「おいしそう」とは思えない。実際の料理と同様に、複数の素材を組み合わせたうえで、かつテーマを設けよう。
『ツァラトストラかく語りき』『カラマーゾフの兄弟』『パンセ』の文庫本を盛りつけてみる。

「春眠いざないランチ」
遠目から見れば生焼けのトーストだ。次は、賽銭箱の前に賽銭。「じゅう(10円)ぶんにご縁(5円)がありますように」との願いが込められている。
「大願成就定食」
ポストと葉書。
「ラブレタープレート」
通帳、印鑑、キャッシュカード。カードを生でポケットに入れて持ち歩いているので、表面に深い亀裂が入ってしまった。そして、その亀裂をセロファンテープで補修しているため、道に落としても絶対に盗まれない自信がある。
「自分へのごほうびコンボ」
ノート、ペン、ICレコーダー。取材時の3種の神器だ。
「インタビュー・ド・スペシャリテ」
「おいしそう」というよりは、「やたら赤が多いなあ」という印象が先に立ってしまった。こうなったら、質より量。“山盛り感”で勝負したい。
ハトも心配そうに見守る
「おいしそう!」出ました
とりあえず、家にあったリモコン類を盛ってみる。
テレビ、ビデオデッキ、エアコンなど
大盛りだけが自慢の天丼屋みたいになった。
なぜか溜まっていくライター
まったくおいしそうではない。
ビー玉とおはじき
あ! これおいしそう! ぶどうやグミにも似た形状。山盛り感はないものの、色合いに涼味もあり、上品で気の利いたフレンチのようだ。
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[まとめ]
というわけで、「ビー玉とおはじき」をお皿に盛ればおいしそうに見える。これを今回の結論としたい。どの料理も、このあとスタッフがおいしくいただきました。皆さんからの投稿もお待ちしております。ふつうに「おいしそうな写真」でいいですよ。
食べづらそうではあるが

