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2008年10月23日 (木)

「焚火カフェ」にようこそ!


押忍!

半年ぐらい前、何かの雑誌記事で「焚火カフェ」というものがあることを知った。浜辺でたき火を囲みながらのんびりとコーヒーなどを飲めるという。

奇しくも今回のテーマは「リラックス」。行くしかない。胸中に火を燃やしつつ、湘南新宿ラインに乗り込んだ。


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「焚火カフェ」をめざし、西へ西へ

着いたのは神奈川県の逗子。数日前の天気予報では雨模様のはずが、みごとな秋晴れだ。拝火教の神の計らいに違いない。


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小学生もうなだれるほどのたき火日和


当たり前だが、たいていの駅前にはたき火ができるスポットはない。ここからバスに乗ります。

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平日の午後なのでお年寄りと子供しかいない


バスに揺られること20分。「久留和海岸」というバス停で降りた。目の前はすぐ海。胸中の火も消えていない。

目指すは徒歩2分の距離にある「3knot」というショップ。ここでは、キャンプ用品や海遊びのグッズなどを販売している。そして、「焚火カフェ」とはこのショップのオーナーが開店とほぼ同時に始めた小粋なサービスなのだ。


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「3kont」外観。左のサッシが入り口です


中に入るとオーナーの寒川一さんが出迎えてくれた。今日はよろしくお願いします。


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オーナーの寒川さん(45歳)


「あっ、よろしくお願いします。じつは高1の息子がポータルZさんのファンなんですよ」

およよ、そうですか! 息子さんもやっっぱりたき火好きですか?

「いえ、たき火はもっぱら僕専門で。息子は映画が好きみたいで自分で脚本を書いて撮ったりしてるようですね」


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「二本足寝袋」は1万7640円


ショップ内を見渡せば、さして広くはないスペースに遊び心あふれるグッズたちがぎっしりと陳列してある。なかには、ミニコミ『野宿野郎』編集長も推奨する「二本足寝袋」も。編集長は「お巡りさんに注意されたとき、すぐに逃げられるので便利」と言っていた。


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たき火業界のバイブル『焚き火大全』ももちろんあります(非売品)


いよいよ、浜辺のたき火スポットへ

そんなこんなで、さっそく浜辺に繰り出すことに。「ちょっと待ってくださいね。いまカフェセットを持ってきますから」と寒川さん。


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これが焚火カフェセットだ!


店の脇の坂を下り、浜辺に向かう。あっという間に到着。近い。


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静かな浜辺、おだやかな秋の海


寒川さんが手際よく点火準備を行う。紙くずの上に木ぎれを載せれば完了だ。


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「さっそく点火しましょう」


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「点火しました」


さすがプロ。話が早い。火はすぐに安定した。ちなみに、僕が主宰する「たき火の会」は「日没とともに点火」が通例だが、まだ明るい夕暮れ時のたき火もいいものです。

次に、葉山の「THE FIVE BEANS」というコーヒーショップにオーダーメイドしたという「焚火ブレンド」をいただく。なるほど、たき火のスモーク風味が香る。


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「焚火ブレンド」1ポット1000円


続いて、ダッチオーブンでじっくりと蒸し焼きにした「焼きリンゴ」。うめえ。


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左の分福茶釜みたいなやつがダッチオーブン


最後にマシュマロを焼く。手元でくるくる回転させられる特製フォークに突き刺してぐるりグリルする。そういえば、たき火というとみんなマシュマロを焼きたがるんですが、あれなんでですかね? 「バーベキューの本場、アメリカでは定番みたいですよ」

 


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ぐるりグリル


寒川さんいわく「大々的に宣伝しているわけではないので、今のところこのカフェを利用するお客さんは月に2、3組。でも、リピーターは多いですね。なかには『噂を聞いて広島から来ました』という女性3人組もいましたね」とのことだ。


火を囲んでしばし歓談タイム

腹もこなれて落ち着いたところで、しばしの歓談タイム。そもそも、なぜこういうお店をやろうと思ったんですか?

「もともとは東京の玩具メーカーで働いてたんですが、あるときふらっと会社とは逆方向の電車に乗ってみたんです。で、着いたのが三崎口という三浦半島の先っぽの海水浴場。はだしになって日暮れまでボーッとしてましたね。スーツ姿は僕だけでしたけど(笑)」

あらら、怒られましたか?

「次の日、会社で上司にありのままを正直に報告したら、意外にもとくに怒られず。この小事件が大きなきっかけでしたね」


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「続き、聞きますか?」


「で、それからずいぶん後にたまたまネットサーフィンをしていたら、どこかの不動産屋のサイトに迷い込んだんです。そこで見つけたのが今の物件」

いわゆる一目惚れで?

「いえ、買う気はまったくなかったんです。でも、なぜかどうしても実物を見たくなって大ざっぱな住所を頼りに探しに行きました。ウロウロしているところへ7匹のダックスフントを連れた青年に声をかけられて。『この辺はいいですよー』って」

7匹のダックスフントの魔法にかかった寒川さんは、その日のうちに不動産屋に会い、図面だけ見た段階で契約書にサインをする。そして、まったく別の人生が始まった。


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人生って不思議ですねえ。「そうだねえ」


日もだいぶ傾いてきた。犬の散歩で通りかかる人が多い。中には親しげに声をかけてくる人もいる。「いまの人は誰ですか?」と寒川さんに聞くと「知らない人(笑)」とのことだった。


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一瞬の逢瀬を照らす秋日かな


やがて太陽は沈み、たき火の明るさが際立つ。ふと、「今までのベストたき火はどこでしたか?」と聞いてみた。「うーん、メキシコのバハ島かな。無人島なんだけど、降るような星空とたき火の炎がこの世のものとは思えないほど美しかったなあ」


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合い言葉は「ナイスファイヤー」


結局、16時から19時過ぎまでたっぷり3時間以上、たき火を囲んでいろんな話をした。寒川さんは持ってきた薪をきれいに燃やしつくしてから帰る主義だという。そして、きっちりと燃えつきて思い出したように寒さを感じた頃、たき火は終わった。

「今までいくつか取材を受けましたが、最期までつきあってくれた人は初めてです」と笑いながら、たき火マスターは腰を上げた。


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[まとめ]

僕には兄はいないが、何となく兄と話しているような不思議な距離感だった。これが、喫茶店やオフィスでの対面取材だったら、こうはならないだろう。日が沈む直前、海面をひと筋の光がまっすぐに僕らのほうに伸びた。寒川さんは「あ、太陽の道だね」と言った。

 

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「太陽の道」出現


●取材協力:「3knot」
神奈川県横須賀市秋谷4271-15
tel.046-845-5550

http://www.3knot.com/
薪、たき火台、テーブル、イスなどの「焚火セット」は1500円/人、その他飲食類は別途



 

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