サイン色紙を貼らせてください
今回のテーマは「春を探す」である。
春といえば新たな出発の季節。そういえば1年前に「石原たきび」に改名してから新しくサインを考えていない。求められる機会は一切ないものの、何が起こるかわからないのが人生。備えあれば憂いなしだ。
まずは先人のスタイルを研究することにしよう。向かったのは有楽町の「芳蘭」。芸能人のサイン色紙が所狭しと飾られているラーメン店である。
うーむ
しょう油ラーメンを食べながら1枚1枚を子細に観察する。さすが芸能人。どのサインも堂々たるものだ。タイプ的には元の名前に比較的忠実なものとかなり崩しているものに大別されることがわかった。
また、イラスト、お店へのメッセージ、自分が出ている番組名を添えるパターンもある。小松政夫の「あんたはえらい!」、せんだ光雄の「ナハナハ」など、自身の定番ギャグを記すのもお約束のようだ。
ツービートと同じラーメンを食べた
さて、おおよその傾向がわかったところでさっそく自分のサイン開発に乗り出そう。近くの喫茶店でスケッチブックを前に、ああでもない、こうでもないと頭をひねる。
5杯目のコーヒーが空になる
そういえば、さっき駅の通路で見かけた「滝沢演舞城」のポスターからもヒントを得た。願わくばああいう具合にトンチも効かせたい。
「舞」の下が「タッキー」
試行錯誤の末、何とか6パターンのサイン案が完成したが、うーん、どれも一長一短があり決め手に欠ける。足は自然に原宿の占い館「天使の部屋」に向かった。
春休みで賑わう竹下通り
相談に乗ってくれたのは西洋占星術とタロットを得意とする七海天音先生。スケッチブックに書いた6案を見せると、おもむろにカードを取り出す。
「あ、これがいいですね」。先生がひとつのサインを指さした。対応するカードには炎に包まれた古塔が描かれている。「今までの慣習を壊して新しいものを積み上げていくという意味です」。
これですか?
一瞬不吉な絵柄に見えたが、そうでもないらしい。たきびと炎の取り合わせもいいではないか。「歯に衣着せぬ物言いでトラブルになることもありますが、悪くないカードですよ」。
よし、これで行こう。ただし、サインとしての造形はまだ完成の域には達していない。デザイン的にもかっちりと固めるために、あの人から助言をもらうことにした。
住さん
さっき決まったサイン案を見せつつ、依頼趣旨を説明する。「『石原たきび』ですよねえ。うーん、ハラだけカタカナにするのはどうですか?」。いや、そういうお笑い要素はいらないです。
「形にメリハリを付けたいですね。あ、こういうかんじはどうでしょう」
そのとき右手が高速で動き始めた
さすがプロだ。見違えるようにサインっぽくなった。よし、完成だ。残されたミッションはサイン色紙をお店に貼ってもらうことである。そこで初めてサインに命が吹き込まれる。
最初に訪れた芳蘭はハードルが高そうなので、表参道の交差点にほど近いたこ焼き屋さんに向かう。
ここもサイン色紙の店だ
店長らしき男性に恐る恐る声をかけて、有名人ではないがサインを貼らせてくださいと頼む。一瞬怪訝な顔をされたが、回答は「ここ、期間限定の出店なので1カ月ぐらいしたら店ごとなくなっちゃいますけど、それでもいいのなら」。
いいですいいです。正直100%断られるだろうと思っていた。サインをフォトショップではめ込み合成するという姑息な妥協案も考えていた。嬉しい。
あ、そのへんでお願いします
こうしてできたばかりの僕のサインは、ギャル曽根やココリコ、時東ぁみ、泉ピン子らのサイン色紙と並べて貼られた。事情を知らないお客さんに「あれ誰?」と言われるのだろう。むしろ期間限定でよかった。
じゃじゃーん
【まとめ】
サイン色紙はやはり貼ってもらってナンボだ。女性店員に色紙を渡す際に「ありがとうございます」と言われたことにも感激した。というわけで、僕のサイン色紙の浮き具合を見たい方は「浪速や」さんに行ってみてください。表参道の交差点を原宿方面にちょっと下ったところです。
たこ焼きもうまいよ
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