2010年7月23日 (金)

日焼けサロンでマグロを焼くとどうなるか



押忍!

今月のお題DE道場テーマは「あえて暑いところに行く」です。

ところで、街中でときどき見かけるものの、一度も入ったことがない店がある。日焼けサロンもそのひとつだ。ちょうどいいではないか。これを機に、人生初の日サロ体験をしてみたい。


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若干緊張しつつ

 

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苦労の末、取材OKの店を発見


そこで、ふと思った。どうせなら、体以外もいろいろと焼いてみたい。

そんな取材内容を提示すると、どこも軒並み断られたが、ついに「いいですよ」と行ってくれる店を発見。


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快晴のJR代々木駅


絶好調に暑い日に向かったのは、代々木駅から徒歩1分の日焼けサロン「EXION代々木店」。


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雑居ビルの3Fにあります


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すわ先客かと思いきや素通り

 

店内の作りはカラオケボックスに似ている


出迎えてくれたのは、店長の川崎美紗さん。かわいい。右も左もわからない日サロ初心者なので、どうぞよろしくお願いします。


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左が川崎さん


こちらは2008年オープン。店内に3つの部屋があり、それぞれワット数の異なる3台のマシンが置かれている。



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カラオケボックスの作りに似ている


以下、川崎さんの話。

「ふつうのお客様は、だいたい1回で20分から30分。肌質にもよりますが、ちゃんと下地を作ってから徐々に強いマシンに移行しないときれいに焼けないんですよ」


M6
「JAPAN-M6」1万2000W


「客層は20代後半から60代まで幅広いですね。もうこれ以上黒くならないだろうという方がさらに1段階黒くして帰られるケースもあれば、ものすごく肌が白いのでふつう並みにしたいといっていらっしゃる方もいます」


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「ワイルドキャット」1万6000W


「あっ、そういえばトライアスロンをやっている方が、腕のエントリーナンバーの跡を消したいといって来店されたこともありましたね」

なるほど、日サロを利用する目的も様々なのだ。


「シャーク」1万5000W登場


川崎さんのアドバイスのもと、「シャーク」という1万5000Wのマシンを使うことにする。



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言われてみればサメの口にも似た本体


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かっこいいイラスト


部屋は10畳ぐらいのスペース。思ったより広い。


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シャワー完備


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ダクトからは冷風が吹き出る


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有線440チャンネル聞き放題



マグロ、食パン、ノートもいっしょに焼く


ところで、先に書いた「体以外に焼いてみたいもの」というのはこれだ。


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マグロ


おいしそうな炙りマグロにならないだろうか。


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食パン


こんがりとトーストされないだろうか。


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ノート


色褪せて「思い出のノート」風にならないだろうか。

そして、腕には手製の「たき火シール」。タトゥー気分で刻印となるか。もう一人の店員さんに「わー、かわいー」とほめられたのでうれしい。


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焼け付く「ファイアー」なイメージで


いよいよ焼くときが来た。いざ、20分2800円のコースへ。



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行ってきます(若干緊張しつつ)



全裸になってジェルを塗り


準備は整った。まずは着衣のまま、イメージトレーニング。

僕は閉所恐怖症気味なので、密室になるのはいやだなあと思っていたところ、ふたを閉めても10cm程度のすきまがあるという。よかった。



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アイテムはこの位置に


ライトは下からも当たるので、途中でうつぶせになるなどの体勢変更は不要とのこと。

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全裸になり


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全身にジェル(別売200円)を塗って


強化ガラスのようなボードに横たわり、ふたを閉める。と同時に、360度ぐるりのライトがパカーンと発光、足下のファンからは強風が吹き出る。


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繰り返しますが全裸です


ライトの熱は強烈だが、真夏の日差しを浴びているぐらいの暑さ。一方で湿度がないため、カプセル内は思ったより過ごしやすい。

サイケな光、ファンからの送風、未来っぽく数字を刻むタイマー。こんなパレードのような状態で全裸にて横たわっている。なかなか得難い体験ではないだろうか。



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15分経過


時間が経つにつれ、じわじわと発汗。残り5分。ああ、そろそろつらいなあというところで、ちょうとお時間となりました。


劇的ビフォーアフター?


さて、結果は下。

写真ではわかりづらいが、少し焼けているのだ。この数日前に炎天下で鬼ごっこをするという取材があり、そのときにずいぶん焼けた肌の色素が定着したかんじ。


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髪も若干乱れている


そして、アイテムたちの「アフター」はこちら。


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表面が変色し、パサッとなった


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トースターで1分ぐらい焼いた頃合い


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こちらは変化なし


やはり20分では劇的な変化は見られなかったが、あと何度かやれば体もアイテムたちも新しく生まれ変われる、という手ごたえを感じた。


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まとめ


ちなみに、店内で
「空いた時間にちょっと来ました」的なスーツ姿の若者とすれ違った。まだまだ、知らない世界はたくさんある。そんなことを思った、日サロ初体験でした。カプセルから出たときの人造人間的な気分もおもしろいので、興味のある方はどうぞ。


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たき火マークは心眼で見てください


■取材協力:EXION代々木店
東京都渋谷区代々木1-32-1 白倉1ビル3F
TEL: 03-3379-8867

 



2010年5月21日 (金)

高円寺で行ったことのある店を数えてみた



押忍!

今月のテーマは「数える」。わたくしごとですが、東京・高円寺に住んで6年。この町でご飯を食べ、お酒を飲み、洋服を買い、髪を切ってもらう日々だ。そこで、ふと思った。行ったことのある店って何軒ぐらいだろう。それがわかったからといって何の役にも立たないと知りつつ、興味本位で数えてみることにした。


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100軒ぐらいかな?


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「数取器」でテンションが上がる


まずは駅周辺から攻める。調査エリアはアバウトに駅から徒歩10分圏内。対象は「何らかの商品やサービスに対してお金を払った店」のみ。ふらっと入っただけの店はカウントしない。


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100軒ぐらいなのか?


右手には、今回の調査のために購入した数取器。これだけで気分もずいぶん変わるというものだ。


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手のひらにジャストフィット


駅周辺には行ったことのある店ばかり


では、始めよう。駅前のドラッグストアにはたいてい入っている。花粉症のクスリやウコンの力を買うのである。


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ねじめ正一の小説で有名になった「純情商店街」


「バーボンハウス」は、高円寺に引っ越してくる前からつきあいのある飲み屋だ。近年は同じ高円寺にタコス屋も展開している。マスターは僕と同い年なのにえらい

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タウン放送でユニークなボイス広告を流すことでも有名


この「かみや」も何度か行ったなあ。というわけでカチッ。


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酒飲みの哀愁をうたう都々逸


この陶器屋は以前書いた記事で皿を購入した店

 

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お世話になりました


時々、食べた記憶のないラーメンがデジカメに写っていることがある。そういう場合は、たいていここのこってりラーメンだ。酔うと無性に食べたくなる。


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お世話になっております


予想外のハイペース


ウロウロ歩き回りながらカチカチやったところ、カウンターは115を示している。なんだこのペースは。

 

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すでに100軒超え


びっくりしたので、昼食をとることにする。


 

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ベトナム料理の店


ここ「チョップスティックス」は生麺のフォーを使っているのがウリでございます。

 

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フォーのつけ麺うまい


腹ごしらえもすんだところで、調査を続行する。

 

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ピンクのお店には行かないなあ


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この路地奥も未開拓


ただ歩き回るだけではつまらないので、途中途中でアトラクションを加えてみた。

 

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なじみのカフェの店員さんと談笑したり


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たわむれにサングラスをかけたり


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ゲームセンターに入ったり



店にはいろんな「系」がある


ところで、ひとくちに「店」といっても様々なジャンルに分かれる。


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食べる系

 

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ファースト系

 

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おしゃれ系


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ライブ系


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いろいろ系


ちなみに、これらもすべて「行ったことのある」店だ。カウンターは順調に数字を刻む。


いよいよ感動のフィナーレ


そうこうするうちに日が暮れてきた。歩きすぎて脚が痛い。押しすぎて指も痛い。


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高円寺は外飲みパラダイスでもある


赤提灯の誘惑に抗いつつ、ラストスパートをかける。

 

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心温まるガード下の風景


かくして、調査は終了した。僕が一度でも行ったことのある高円寺の店は431軒だった。

 

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予想の4倍以上

 

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[まとめ]


念のため、調査結果を店のジャンル別にまとめみてた。「その他」を除けば113軒を数えた「居酒屋・バー」がトップにきている。そんなに行った覚えはないのだが、数字は冷徹だ。健康のことも考慮して、今後は「洋服屋」「書店」あたりの軒数を伸ばしていきたいと思います。

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2010年4月23日 (金)

おだてられながら木に登る


押忍!

今月のテーマは「高いところに登る」。ところで、僕は高所恐怖症である。マンションに住む際も4階ぐらいが限界だ。ベランダに出るのが怖いから。つまり、高いところは楽しくない。でも、そのへんの木に登るんだったら? 楽しそうだ。しかも、おだてられながらだとやる気も出るはず。そんな記事です。


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よいっとな

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木の選定が重要である


高いところが怖いので、いわゆる「絶景」と呼ばれるものに興味がない。たとえば、下の写真は六本木ヒルズ展望台からの眺め。
デジカメのシャッターを押したとき、下腹部から「スーッ」という音がたしかに聞こえた


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「もし、このままビルごと倒れたら…」という想像力


というわけで、近所の公園にやってきた。言い忘れたが、1週間ほど前に酔って転んだ際、したたかに打撲した右肩が尋常ではないほどに痛い。大丈夫か。


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木はたくさんある


ざっと見渡すと、まず最初の足がかりとなるステップがない木が多いことに気づく。


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1本目の枝までいけない


しかし、1本だけ「フェンス経由で登れるかな」と思わせる木を見つけたのでチャレンジしてみよう。

なお、現場でおだててくれる人が見つからなかったので、過去に言われてうれしかったセリフを思い出して、みずからツイートします。数少ないほめられ=おだて体験を開陳しているだけなので、内容に関してはご寛恕ください。


2_2 「なんか、今日のファッション浮浪者っぽいんだけど」

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フェンスを踏み台に

 

これは先日、旧知の編集者に待ち合わせ場所で会った瞬間に言われた言葉だ。カーキ色のコートにアジアンテイストのマフラー、破れたジーパンというコーディネートが悪かったのだろうか。

というか、ほめられていない。むしろ箴言に近い。あまりにもショックだったので、つい書いてしまった。登攀にももちろん失敗。ちゃんと真剣におだてよう。


別の公園で再度アタック


気を取り直して次の公園に向かう。


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ふだんとは違う心持ちで木を見つめる


うん、ここならありそうだ。さっそくアタックすべき木を発見した。


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こちらになります


 

2_2「あしくん、なんかいいにおいするね」

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ここから脚を枝に巻き付けて…


だめだ。肩が痛い。ちなみに、このセリフは小学校の頃、校庭で梅村君に言われた言葉だ。うれしかったので今でも覚えているが、ちょっとパンチが足りないうえに若干隠微な香りもする。「あしくん」とは当時のあだ名。「いしくん」が転じたものと思われます。

次。お、あの木なら行けそうだ。


2_2「ライターさんの中でたきびさんの文章がいちばん好きです」

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さりげなく登攀成功


これは、『R25』編集部の中村ちゃんに言われた言葉。彼女はいま、編集部を辞めて「世界婚活」という複雑なコンセプトを掲げた海外一人旅に出ている。健闘を祈ります。

とはいえ、成功とはいえないぐらいの低さだ。引き続き登ります。おだてられながら。


2_2 「へえー、走り屋〜」

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V字ポーズで次のステップを探る


これは大学時代にバイトしていた学習塾で、「バイクを飛ばして家からここまで15分で着いた」と言ったとき、それを聞いた中2の女子生徒(名前は忘れた)がつぶやいた言葉。「走り屋ではないけどなあ」と思いつつも、なんとなく嬉しかった記憶がある。

しかし、V字になった時点でどうにも動けなかった。


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あ、これなら


2_2 「ふつうは『さん』か『ちゃん』を付けて呼ぶけど、石原のことは好きだから呼び捨てなんだ」

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ここまでいけた


これは、高円寺のバーのマスターに言われた言葉。しかし、彼はカウンターの中ですでに酔っぱらっていたので、あまり信憑性はない。そのせいか、この地点以上は進めなかった。怖くて。

登り方についても研究してみた。たとえば、レスキュー訓練などでよく見るこんな方法はどうだろう。


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蠕動(ぜんどう)運動でするすると


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しかし、カメラを引くとこういう状況

 

「木を見て森を見ない」ことの重要性


高みに登れば、すてきな風景が見えるはず。しかし、なかなか難しい。


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たわわに実るみかんも食べられる


一方、仔細に観察することで木そのものの魅力を再発見することができた。いわば、「木を見て森を見ない」視点だ。

 

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四方に伸びる美しい枝ぶり


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なぜ穴が開いたんだろう


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ハート型のうろ



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猿も滑るというサルスベリの木


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木の股からこんにちは


木の上でやりたかったことを実行する


よし、次の公園に行こう。広さはこれまでで最大。肩を痛めた僕にも登れる木が必ず見つかるに違いない。


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かなりの勢いで雨が降ってきました


園内を探すこと数分、運命の木はあった。幹がぼこぼこしており、足をかけるのにちょうどいいのだ。さっそく自分をおだてて鼓舞する。


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あのあたりを目指して


2_2 「清志郎に似てますね」

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おあつらえ向けのこぶを足がかりに


これは、本当にいろんな人から言われた。自分ではまったくそう思わないし、清志郎のことは好きすぎて恐れ多いのだが、嬉しいことには違いない。

ご本人にも仕事で何度かお会いしたことがあるが、緊張しすぎて、唯一交わしたやりとりが「清志郎さん、それ何ですが?」「万歩計です」だったことが今となっては悔やまれる。


2_2 「いっしょにいると、なんかおしゃれな気分になる」

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ぐいぐいっと


これは以前好きだった女の子の言葉。今も昔も、自分の中にはおしゃれ要素はまったくないと思っていたるので、意味がわからずびっくりした。これからも、なるべく浮浪者に見えない服装を心がけたい。

しかし、肩が痛い。負傷している左肩をかばって、右腕一本でヒットを打った鉄人金本の気分である。


2_2 「キミの英語は上手だね」

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の・ぼ・れ・た!


20歳ぐらいの頃、一人でギリシャを旅行しているときに、レストランの呼び込みのような店員男性に「たいていの日本人はダメだけど」という前置きとともに言われた。以来、自分は英語がうまいと信じている。まったく話せませんが。

かくして、いろんなおだてに乗って自分史上最高地点への登攀に成功した。写真で見ると大したことがないように見えるが、これ、上から見下ろすとかなりの恐怖なのだ。

さっそく、木の上でやりたかったことを実行する。


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ウクレレを弾き


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猿になる


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[まとめ]

簡単そうに思えた木登りだが、じつは難しい。肩さえ痛めていなければ、もう少しいけただろうか。そして、「木を見て森を見ない」視点が重要なんだなということと、おだてパワーの偉大さについても再認識した。以降の人生も、自分で自分をほめながら生きていきたいと思います


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猿も木から下りる


2010年3月19日 (金)

おいしそうな写真

押忍!

今月のテーマは「おいしそうな写真」。しかし、おいしいものをおいしそうに撮るのは、当たり前でつまらない。たとえば、一見おいしそうではないものをお皿に載せると、おいしそうに見えるのではないか。そんな思いつきを検証してみた。


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このお皿の上が今回の舞台となる

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おいしい食べ物はあまたあれど


ふだんから、おいしいものを食べたときは写真を撮るようにしている。人に見せてうらやましがらせたいからだ。


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阿佐ヶ谷「コケコッコー」の炙りしめサバ


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新宿御苑「桃の木」のつけ麺


いずれもびっくりするぐらいおいしかった。だから、おいしそうに撮れていると思う。しかし、今回自分に課したミッションは、「おいしそうではないもの」、もっと言えば「食べ物ではないもの」をおいしそうに撮ることである。


公園のテーブルをセッティング


撮影場所に選んだのは近所の公園。おいしそうな写真を撮るにあたって、自然光は重要な要素だ。


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平日ゆえ人は少ない


空いていたテーブルにランチョンマットを敷き、おもむろに昼餉のセッティングをする。


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準備は整った


さて。このお皿の上に、きまぐれシェフがいろんなものを盛りつけていきます。


何かが足りない


前菜はこちら。先日実家に帰省した際、妹の娘(5歳)に「男の子がピンクを持つのはおかしい」と糾弾されたマイ携帯電話だ。ウケ狙いで選んだものの、若干後悔している。


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フルーティーな色合いが食卓に映える


おいしそうに見えないこともないが、どうもボリュームが足りない気がする。次に、家の固定電話を載せてみた。


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よく考えたらこれ、もう15年以上使ってる


コードが大胆にはみ出してしまった。ならば、ちょうど収まるサイズといえばこれか。


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ヘッドライト


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そして、ピストル


うーん、ひとことで言えばどちらも硬そうだ。もう少し丸みを帯びた形状のほうがいいのかもしれない。


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けん玉


あ、これはちょっとおいしそうかも。新タケノコにプチトマトを添えた風情がある。



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グローブとボール


ヤシガニの腹中にゆで卵を挟み込んだイメージ。


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スナフキン


食卓の必需品、ナプキンと掛けた。「お菓子の城」的なたたずまい。


テーマを持たせてみる


様々な発見はあったものの、まだ心の底から「おいしそう」とは思えない。実際の料理と同様に、複数の素材を組み合わせたうえで、かつテーマを設けよう。

『ツァラトストラかく語りき』『カラマーゾフの兄弟』『パンセ』の文庫本を盛りつけてみる。


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「春眠いざないランチ」


遠目から見れば生焼けのトーストだ。次は、賽銭箱の前に賽
銭。「じゅう(10円)ぶんにご縁(5円)がありますように」との願いが込められている。


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「大願成就定食」


ポストと葉書。


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「ラブレタープレート」


通帳、印鑑、キャッシュカード。カードを生でポケットに入れて持ち歩いているので、表面に深い亀裂が入ってしまった。そして、その亀裂をセロファンテープで補修しているため、道に落としても絶対に盗まれない自信がある。


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「自分へのごほうびコンボ」


ノート、ペン、ICレコーダー。取材時の3種の神器だ。


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「インタビュー・ド・スペシャリテ」


「おいしそう」というよりは、「やたら赤が多いなあ」という印象が先に立ってしまった。こうなったら、質より量。“山盛り感”で勝負したい。


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ハトも心配そうに見守る


「おいしそう!」出ました


とりあえず、家にあったリモコン類を盛ってみる。


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テレビ、ビデオデッキ、エアコンなど


大盛りだけが自慢の天丼屋みたいになった。


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なぜか溜まっていくライター


まったくおいしそうではない。


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ビー玉とおはじき


あ! これおいしそう! ぶどうやグミにも似た形状。
山盛り感はないものの、色合いに涼味もあり、上品で気の利いたフレンチのようだ。


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[まとめ]


というわけで、「
ビー玉とおはじき」をお皿に盛ればおいしそうに見える。これを今回の結論としたい。どの料理も、このあとスタッフがおいしくいただきました。皆さんからの投稿もお待ちしております。ふつうに「おいしそうな写真」でいいですよ。


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食べづらそうではあるが



2010年2月19日 (金)

「ピルクル」が好きすぎて困る


押忍!

今月のテーマは「好きなモノを紹介する」。僕は「ピルクル」が好きだ。あの、乳酸菌飲料の。好きすぎて1日1本ペースで飲んでいる。口に含んだ瞬間に広がる得も言われぬ甘さと酸味。ああ、なぜお前はこんなに美味いのか。味のヒミツを知りたい。そして、まだこの魅力に気づいていない人々に広く啓蒙したい。


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コンビニに陳列された500mlパック

 

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「ピルクル」の総本山を訪れる


降り立ったのは都営新宿線の馬喰横山駅。


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「ばくろよこやま」と読みます


ふだんは用事のない街だが、今日は違う。駅からほど近いビルの一室に、目指す日清ヨーク株式会社のオフィスはあった。


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「ピルクル」の製造販売元である


マーケティング部課長の大木篤史さんが、いろいろと教えてくれるという。

 

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よろしくお願いします


大木さんは、学生時代にコンビニでアルバイトをしていて、そのとき「ピルクル」の美味しさにハマったという。休憩室でしょっちゅう飲んでいたドリンクの製造メーカーに就職するとは、当時はもちろん考えていない。

いい話だ。写真のポーズがかぶったのも共通する「ピルクル愛」のせいだろうか


販売当初の売れ行きは芳しくなかった


「ピルクル」の販売開始は1993年。もともとは、「ごくごく飲める乳酸菌飲料を作りたい」というのが開発のきっかけだった。


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歴代のパッケージデザイン(左から右へ)


ところで、当時の乳酸菌飲料では「飲むヨーグルト」系が主力商品。社内的には「こんな変わった飲み物が本当に売れるのか」という声もあったそうだ。実際、販売直後の売れ行きは芳しくなかった。


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こちらが現行の商品ラインナップ


しかし、商品の魅力はじわじわと消費者に浸透していく。そして、17年後の現在では、1日に10万本、年間で4000万本を売り上げる、会社の看板商品になった


関連商品やグッズも登場


ちなみに、「しょこたん」こと中川翔子やAKB48の渡辺麻友らも熱狂的な「ピルクルファン」として知られている。

「ファンの方から『ライブ用の応援うちわを作りたいからパッケージのデザインデータを送ってほしい』という電話をいただいたことも。丁重にお断りしましたが(笑)」

そして、「こんなのもあるんですよ」と言って大木さんが見せてくれたのが、下のお宝グッズたち。


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2008年に限定販売されたグミとキャンディー


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携帯クリーナー


ちなみに、大木さんが着ているジャンパーは「ピルクル」のロゴ入り。「撮影用に貸してください」と言ってみたが、やんわりと断られました。


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普段着としても着たい一品



いよいよ、「味のヒミツ」に迫ります


さて、本題である。乳酸の働きについては、日清ヨークのHPにこのような図解が載っていた。

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NY1300株(カゼイ菌)が活躍する


しかし、僕が知りたいのは「『ピルクル』は、なぜ美味いのか」ということだ。大木さんは、こう言った。

「原料の段階で加熱処理をすることで、焼き色、香り、コク、深い味わいを出していますローストする時間も微調整が必要な繊細な作業です」

これを「メイラード反応」というそうだ。

「あとは、自社で専門の職人が乳酸菌を育てているというのも珍しいと思います。発酵時間は約100時間。通常よりかなり長いんですが、こうすることでたんぱく質の粒子が細かくなって、美味しいのど越しにつながるんです」


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今年10月竣工予定の新工場


おお。まさか、専門の菌職人がいたとは。

ちなみに、「ピルクル」は埼玉県の羽生工場のみで生産されているが、現在、兵庫県西脇市に新工場を建設中。これまで、西日本はコンビニ限定販売だったが、完成後はスーパーなど販売チャネルも増えるそうだ。


編集部の皆さんに「ピルクル」を勧める


「ピルクル」の歴史と味のヒミツは大体わかった。次のミッションは「啓蒙と布教」である。勇んでニフティのDPZ編集部を訪れた。


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遠巻きに見つめる編集部員たち


集まってくれたのは林さん、安藤さん、石川さん、橋田さん。ちなみに、彼らがいちばん好きな飲み物を聞いてみた。

「やっぱりコーラがいちばん好き」(林)
「沖縄の『げんまいドリンク』をホットでC」(安藤)
「C1000レモン。これだけは大切に飲みます」(石川)
「炭酸飲料。昔あった『シャッセ』とか」(橋田)


橋田さんは会社でもしょっちゅう炭酸飲料を飲んでいるらしく、ふたを開けるときの「プシュッ」という音が定期的に編集部内に響き渡るそうだ。

という余談を挟みつつ、じゃあ、ちょっと飲んでみましょうか。


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こんなふうにゴクゴクと


ちなみに、「ピルクルジャンパー」がどうしてもほしかったので、自作した。


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「これが『ピルクル』か」

 

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「あっ、もうそのぐらいで」


4人の感想をまとめると、こうなった。

「おいしい。『とろとろ桃のフルーニュ』に味が似てますね」(林)
「うん、おいしいです。『ピルクル』ってどういう意味なんですか?」(安藤)
「遠足に凍らせて持っていた『ローリーエース』を思い出しました」(石川)
「私『ピルクル』も好きなんですが、お腹がゆるくなるからたくさんは飲めない」(橋田)

「商品名はイギリスから新大陸アメリカに渡った清教徒たち、『ピルグリム・ファーザーズ』」「僕はぜんぜん平気なんですが、一度に大量の飲むとそうなる場合もあるようです」などと軽やかに解説を加える。


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「強調する部分が『青』」という林さんの発見


「トクホ」の人が気持ちよく反っている


石川さんにさらに味の感想を尋ねると、「トクホのマークの人が気持ちよさそうに体を反ってますね」と、とんちんかんな回答を。


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たしかに気持ちよく反ってるけど、


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そうじゃなくて味を!


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類似商品にもご注意を


かくして、ささやかな啓蒙活動は終わった。反応も上々である。これを機に、何かの拍子に手にとってもらえるとうれしい。


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満足したので帰りまーす


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[まとめ]


というわけで、「ピルクル」の魅力を全力で紹介してみた。いずれにせよ、自分が心から好きなモノを人に勧めるのは楽しい。なお、日清ヨークさんから大サイズの商品画像(下)ももらったので、乳酸菌にまみれたいという方は保存してデスクトップピクチャにしてみてはいかがでしょう。


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2010年1月22日 (金)

「オトナの」を付けてエロくなるものを探せ


押忍!

今月のテーマは「オトナ」。皆さんご存じのように、「おもちゃ」は子供が楽しく遊ぶアイテムだ。しかし、「オトナのおもちゃ」だとまったく別の意味になる。その他の例示はあえて控えるが、要するに「オトナの」を付けると、いろんなものがエロくなるんじゃないか。そう考えるといても立ってもいられなくなった。さっそく街に出て検証してみます。



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年に1、2回しか着ないスーツ。オトナなので

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予想以上に守備範囲が広い


少し歩くとスーパーに着いた。試しに、店頭のバナナに「オトナの」プレートを付けてみる。


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たちまちエロくなった


さらに歩くと駅前のロータリーに出た。無機質な「タクシーのりば」に付けてみるとどうなるだろうか。


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秘密クラブの送迎車的な…


電柱には「通学路」の文字が。「健全」の代名詞的存在だ。さすがにこれはエロくならないだろう。


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なった


イリーガルな趣味を持つ人が闊歩する道。そんなイメージが浮かぶ。そして、公園も「オトナの」を冠することによって、途端に子供が立ち入ってはいけない剣呑な雰囲気に豹変した。


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子供は遊んじゃダメ


1枚1枚紹介していくとキリがないので、以下まとめてどうぞ。


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どれも甲乙つけがたい

 

すごい。開始早々で「オトナの」のポテンシャルと守備範囲の広さを知らされることになった。


エロくならないものもあります

しかし、中にはどうがんばってもエロくならないものもある。


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意味がよくわからない=非エロ


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「垣根の垣根の曲がり角」的な…


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劇団名?


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理由を詮索しづらい


これらはこれらで味わいはあるものの、エロとは異なる世界観だ。「オトナの」にも死角はあった。よかった。


オトナのコーヒーを飲む


歩き疲れたので、「オトナの」探しはこれにて終了。いつものカフェに入ると、オトナの先客がいた。


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わかりづらいがネクタイをしているのでオトナ認定


オトナの挨拶を交わし、メニューの中から「オトナのコーヒー」を注文。僕はいつもブラックで飲むので、ある意味これは正しい。


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400円のほうで


ちなみに、こんなこともあろうかと思い、小さなプレートも用意している。数分後、コーヒーが来た。


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うん、オトナの味である



オトナのゲームに興じる


疲れが取れ、オトナ度も増したところで、オトナのゲームがしたくなった。そう、麻雀だ。勘定を済ませると、すぐ近くにあるゲームセンターへ。

 

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オンライン対戦ができる麻雀格闘倶楽部


じつは、僕は麻雀がそこそこ上手い。このときも、東風戦を3回戦って1位、1位、2位という好成績だった。


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「オトナの満貫」を上がった瞬間



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[まとめ]


結論から言えば、「オトナの」を付けたときにもっともエロくなったのは「タクシーのりば」だった。運転手は仮面着用で車内灯はピンク。そんなタクシーが列をなして停まっている風景が一瞬見えた気がしたからだ。しかし、今回見つけたのはごく一部で、さらに強烈な変身を遂げるものもあるはず。気が向いたら探してみてください。よろしくお願いします。


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ワシからもお願いします



2009年12月18日 (金)

高円寺イルミネーション選手権

押忍!

今月のテーマは「年末コネタを探す旅」である。年末コネタといえば街を彩るイルミネーション。都心では様々なイベントが盛大に行われている。しかし、僕が住む高円寺でも、個人商店がそれぞれに趣向を凝らしたイルミネーションを店頭に点灯しているのだ。今回は、そんなイルミネーションをつぶさに見て回り、最終的にチャンピオンを決めたい。

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ふむふむ、これはLEDか

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では、見て回ります

 

というわけで、駅を起点に各商店街を巡回してみます。


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駅にはノーイルミネーション


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庚申通り商店街

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さっそく光るツリーを発見


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こちらはテナントの大家プロデュースか


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おしゃれカフェの店頭にも


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駅前の喫茶店


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イルミネーションではない


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これはイルミネーション


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雑貨屋店頭の王道ツリー

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登りサンタもよく見かけました

 

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マンションの壁面

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カフェのメニュー板を装飾

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お、個人宅でも


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イルミネーション越しに購う馬肉

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保育園。しかし、園児たちは見られない


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自転車ごとピカピカ

こうして回ってみると、商店はかなりの確率で店頭にイルミネーションを施している。ときに絢爛に、ときにささやかに。それらのイルミネーションは、店の個性の象徴でもある。

 

各国飲食店にもイルミネーション

そもそも、イルミネーションはクリスマスを意識したものだ。しかし、各国の料理を供する飲食店店頭を見ると、すでにそれは宗教を超えたイベントになっていることがよくわかった。

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タイ


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イタリア


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スペイン

 

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インド

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ネパール


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デンマーク(これは店名だ)

商店街あげてのイルミネーション

また、電柱やアーケードなどに装飾を施す商店街もあった。

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エトアール通りは雪の結晶と青いイルミネーション


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もっとも力を入れているパル商店街

 

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こちらもパル

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ちょっと入りづらいコンビニ

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小料理屋店頭。これは珍しい

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これも珍しいタイプ

総じて今年は、青色LEDを使ったイルミネーションが多い印象を受けた。また、商店街単位で盛り上がっているところは、個々の商店店頭であまりイルミネーションを施さない傾向があった。

 

チャンピオン決定

すべての商店を見て回り、審査員による厳正な協議の結果、高円寺イルミネーション選手権のチャンピオンはブティック「MODE KIKUCHI」に決まった。

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華やかかつ均整のとれたイルミネーション

お店の人に優勝した旨を告げようとしたが、どうやら食事で外出しているようだ。


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宮沢賢治「下の畑にいます」的な

店先で待っていると、しばらくしてお店の人が戻ってきた。企画趣旨と優勝した旨を告げると、「ああ、そうですか」と喜んでくれた。

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オーナーの菊池和子さん

聞けば、この店のオープンは1年半前。昨年末からイルミネーションを始めたそうだ。あの装飾で費用は数万円。ツリーは中野の「島忠」で購入したという。

ついでに、お店のオススメ商品も聞いてみたところ、「あれなんかどうかしら」と指さしたのがこれ。胸にパンプス(?)をあしらったステキなチュニックだ。


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お値段は8000円

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[まとめ]

この記事がアップされたら、「MODE KIKUCHI」店頭はデートスポットとして有名になり、カップルであふれかえるのだろうか。いずれにせよ、ふだんは何気なく見ている街のイルミネーションも意識的に観察すると非常に面白い。LEDの台頭のほかに、白いツリーが増えている印象を受けました。


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駅前の焼き鳥屋にもイルミネーション

2009年11月20日 (金)

用事のない場所に行く


押忍!

今月のテーマは「用事のない場所に行く」です。子供か老人でもない限り、なかなか無心の散歩をする機会はない。これを機にチャレンジしてみようと思う。

そういえば今、ツイッターに代表される「つぶやき系」のコミュニケーションサービスが流行っている。僕は完全に乗り遅れているので、いつか参画する日のために、ウォーミングアップも兼ねて「つぶやき」っぽくレポートしてみたい。

 

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火伏せの神にお祈りして…(14:29)


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新宿に着いてみたものの


スタートでつまづいた。用事のない場所が思いつかないのだ。その理由は、たぶん用事がないからだ。とりあえず、新宿に向かいます。(09:25)


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まずは、最寄りのJR高円寺駅を目指す。しかし、鉄道路線という既成概念に縛られている限り、無心の散歩はできない気がする。大丈夫だろうか。(09:40)


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高円寺駅なう。駅ビル近代化なう。(09:45)


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平日なので遅めの出勤組だろうか。いずれにせよ、用事がないのに駅に来ているのは僕だけだろう。(09:48)


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新宿駅着。朝からビールが飲める、噂の「ベルク」を偶然見つけたので入ってみます。初ベルク。(10:03)


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いま、泥酔したおじさんがコーヒーカップを床に落として割りました。店員さんは文句も言わずに掃除しています。いい店です。(10:10)

 

運を天に任せます


考えてもらちが開かないので、行き先は神に委ねることにした。「ダーツの旅」です。駅前のカラオケボックスに入店。(10:55)


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今から投げます。(11:02)


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矢はシベリア南部に刺さりました。ちょっと行けそうにないので、東京23区の地図に替えて再チャレンジ。(11:03)


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今から投げます。(11:07)


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「日本橋浜町」に刺さりました。お、知らない街だ。行き先はここにします。(11:08)


用事はないけど日本橋浜町へ


都営地下鉄新宿線に乗って約20分。意外と早く着いた。地上に出階段を上がると…あれは!(11:40)


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見事な紅葉なう。(11:45)

 

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雨に濡れたイチョウの葉が美しい。素で感動してしまった。(11:50)


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「浜町公園」というらしいです。(11:59)

 

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小便小僧の「小便」と「小僧」は字が似ている。(12:12)


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明治座はここにあったのか。森光子がでんぐり返しを数千回した劇場ですね。(12:27)


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お腹が空いたので目に付いた「浜町藪そば」へ。女将さんいわく「神田藪からのれん分けした店で、100年近い歴史がある」という。(12:35)

 

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そばうまい。(12:47)


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猪口を裏返す。自由律の俳句みたい。(13:05)


清洲橋の中心はズレているのか


駅付近の案内地図を見ていて、ふと思い出したことがある。少し前、新宿で飲んでいたとき、たまたま隣に座ったおじさんがに、いきなり「清洲橋知ってるか、あれは中心が少しズレてるぞ」と言われたのだ。聞けば、建築関係の人で見れば一発でわかるんだという。(13:51)


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その清洲橋が近くにあるようなので、確認しに行こうと思う。(14:15)

 

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ビル解体現場を覗いて…(14:21)


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火伏せの神にお祈りして…(14:29)


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「ハッスルラーメン」につけ麺があるかを確認して…(14:33)


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あやめ橋地下道に入り…(14:36)


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あやめ橋地下道を抜けると…(14:36)


清洲橋の中心で重心を測る


清洲橋が見えてきた。(14:40)


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さらに近づきます。(14:41)


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いい橋です。とても重心がズレているようには見えない(14:42)


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現在地なう。(14:43)


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清洲橋の中心で重心を測ってみた。よくわからなかった。たぶん、ズレていないんじゃないか。(14:45)


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橋を渡った先には唐突に「平賀源内電気実験の地」という史跡が。今日いちばんびっくりした。(14:55)


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[まとめ]


というわけで、用事のない場所に行く旅はどうやら平賀源内に導かれていたようです。その後、高円寺に戻り、行きつけのバーへ。「社長」と呼ばれているおじさんと談義。野球経験が長いというので、「おっつけるバッティング」の意味を聞いた。身ぶり付きでわかりやすく教えてくれた。


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誰かのメガネをかけたなう(20:46)



2009年10月23日 (金)

「元彼との思い出の喫茶店」をちょっと見てきた

押忍!

今月のテーマは「『ちょっと見てきて』を見てくる」です。すっかりおなじみになったこのコーナー。どこを見てこようかしらんと一覧を眺めていると、お、高円寺の案件があるではないか。しかも、甘酸っぱいドラマ性が見え隠れしている。さっそく、見てきた。

 

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奥の段ボールタワーはこの後崩れ落ちました


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元彼との思い出の場所


下は「ちょっと見てきて」のトップ画面。たとえば、「小学生の頃によく行っていた駄菓子屋が今どうなっているか気になる」という投稿に「まだありました!」と写真付きの回答が届く。

無償の愛である。すばらしい。

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いわば、思い出の互助会

ところで、どうせ見に行くなら、まだ回答が付かないものにしたい。「なかなか見てきてくれない」で検索すると、意外にも自分の住む街にこんな投稿があった。

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あ、高円寺

「20年ほど前にお付き合いしていた彼のお母様がやっていた喫茶店です。現在その彼が飲み屋を継いでいる噂を聞いたので、どなたか見てきていただけたらうれしいです」(ロコちゃん さん)

投稿日は2009年5月24日。近くに住んでいる人も多いはずなのに、なぜか5カ月経った今もレスポンスがない。

「元彼」「思い出」「喫茶店」。短いセンテンスに胸を揺さぶるワードが散りばめられている。よし、ここにしよう。


商店街の突きあたりにその店はあった

しかし、20年前ということは投稿者はすでに40代ぐらいか。なんで別れたんだろう。喫茶店では何を注文していたのかな。様々な妄想を膨らませつつ、南口商店街を歩く。

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地図によればこの先の左側に…

駅から歩くこと10分。商店街が途切れる手前に、その店はあった。

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奥の台車に注目

ふと前を見ると、段ボール箱を台車に乗せて運ぼうとしているスーツ姿の男性が。タワーが高すぎて不安定なことこの上ない。

この写真を撮った1秒後、段ボールタワーは派手に崩れ落ちる。積み直すのを手伝ってあげた。

取材依頼書を見せるも


「BAR 10Point」。じつはこの店、前を通るたびに気になっていた。19時のオープンと同時に飛び込む。


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われ潜入せり

入ってみると、いわゆる正統派のバーだった。マスターは40代ぐらいで、短めの髪にブルーのシャツ。間違いない、この人がロコちゃんさんの「元彼」だ。

まずは気を落ちつかせようと生ビールを注文。お通しにパイナップルが出てきた。おいしい。


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カクテルメニュー


壁の大画面テレビはクイズ番組を放送している。ビールを半分ぐらい飲んだとき、マスターが話しかけてきた。「このへんにお住まいなんですか?」「あっ、はい、北口ですけど」

 

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フードメニュー

今しかない。意を決してあらかじめ作っておいたA4の取材依頼書を見せた。

「じつはニフティが運営しているインターネットのサイトで(中略)…ということで今日は伺ったんですよ」

マスターは取材依頼書を一瞥しただけで、黙って僕の話を聞いている。テレビでは誰かがおかしな回答をしたようで、わっと盛り上がる音が聞こえた。


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出窓に置かれた色とりどりの酒瓶たち


最後に「もちろん、プライベートなことなので話せる範囲で結構です。なるべくお店の宣伝になるようにもしますので」と言うと、マスターがようやく口を開いた。

「うちはそんなに宣伝するつもりもないんでねえ。でも、この方のことは誰だかわかりました」

あっ、わかりますか。失礼ですけどマスターのお名前は?

「いやあ、それはまあいいじゃないですか。当時のことはとくに言うこともありませんけど、今のお店についてならお話ししますよ」

淡々とした語り口調だが、どうやら気分を害しているわけではなさそうだ。「店の写真はいいが顔などはNG」という条件で取材OKをもらった。

 

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有馬記念のポスター

では、質問させてください。このお店ができたのはいつですか?

「18年前ですね。母がやっていた喫茶店を閉めることになって、そのまま引き継ぐかたちで。内装はがらっと変えましたけど」

店名は馬の名前から?

「そう、テンポイント。好きだったんです。今の若い人は知らないだろうなあ」

僕もうっすらと覚えていただけで、壁のポスターで「もしや」と思ったのだ。お母さんがやられていた喫茶店というのは、どんなお店だったんですか?

「うーん、まあふつうの喫茶店でしたね。当時、僕はデパートで働いていて、店にはほとんど来なかった。母ですか? ええ、まだ元気ですよ」

デパートを辞めてこのバーを出すに至った経緯は「いろいろあったんでね。ひとことでは言えません」とのことだった。

 

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すりガラスの意匠

聞けば、マスターは現在44歳で独身。体は至って健康。そして、20年前、ロコちゃん さんと交際していたのも事実だという。

すみません、大変失礼なことを聞きますが、もしかして、それが気まずいというかイヤな思い出ってわけではないですよね?

「あはは、そんなことはないですよ。ちゃんと彼女でしたから」

それ以降、結婚しようと思ったお相手はいましたか?

「そこまでは言えませんよ(笑)」

それはそうだ。まだ会って15分の初対面の男にそんなデリケートな話をできるわけがない。


ロコちゃんさんをイメージしたカクテルを


突然の奇妙なオファーにもかかわらず、真摯にお付き合いいただいた。ここまで聞いた話で「ロコちゃんさん、マスターは元気でしたよ」とまとめよう。そう思って勘定をしかけた瞬間、ふとあるプランが頭に浮かんだ。

マスター、最後にロコちゃんさんに何かカクテルを作ってもらえないですか?

ここにいない人には作れない。そう言われるかと思ったが、「あはは、カクテルねえ。いいですよ」とあっさり受けてくれた。

ほどなくして、出てきたのがこれだ。

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20年の時を超えて

「コスモポリタン。ウォッカをクランベリージュース、ライムジュース、コアントローでシェイクしたショートカクテルです」

ひとくち飲むと、こっちを見ていなかったはずのマスターが「ちょっと強いでしょう」と言った。ウォッカの刺激とクランベリー、ライムの酸味が複雑に交わっておいしいです。そう答えた。

いつの間にかテレビの電源は落とされ、BGMはビル・エヴァンスの『枯葉』に変わっていた。

 

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カクテルを飲むのなんていつぶりだろう

ちなみに、コスモポリタンとは「世界を駆けめぐる国際人」という意味。生まれてから高円寺を出たことがないと言っていたマスターが作ると、また味わい深い。なぜこれにしたのかは、あえて聞かなかった。

最後に、「店のことは石原さんが客観的に見たり感じたりしたことだけを書いてください。僕はあまり『こういうスタンスでやってます』とは言いたくないので。お酒のことをあれこれ語るのはナルシストっぽくて嫌なんです」と言われた。

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[まとめ]

ロコちゃんさん、いかがでしたか。お二人の間にどんな思い出があるかはわかりませんが、おかげで思わぬ楽しいひとときを過ごすことができました。ありがとう。そして、これを読んだら近所のバーかどこかで、ぜひコスモポリタンを飲んでみて下さい。

なお、後で「見てきた」のほうにも投稿しておくので、そちらも合わせてご高覧を。

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ドリンク500円〜、チャージ300円

<BAR 10Point>
杉並区高円寺南2-20-5
19時〜2時
日祝休


2009年9月18日 (金)

「麺産業展」で麺にまみれたい


押忍!

今月のテーマは「ささやかな夢をかなえる」。ところで先日、新聞で「麺産業展」なるものが9月16日(〜18日)に開催されると知った。僕は去年の夏に「つけ麺部」という活動を行うほど麺類が好きだ。産業もわりと好きだ。ならば、行くしかないだろう。麺にまみれるという、ささやかな夢をかなえるために。いざ、ヌードルの彼岸へ。


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麺関係の資料は「麺類フォルダ」に保管しています


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予想以上の賑わい

お昼頃、会場の東京ビッグサイトに到着。胸は高鳴り、腹は鳴る。事務局によれば、出店は117社、3日間で約8500人の来場を見込んでいるという。


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事務局からプレスパスをもらった


ちなみに、これまでそばやうどんを扱う協会とラーメンなどの中華を扱う協会は、それぞれ個別にイベントを開催してきた。しかし、「麺類みな兄弟、いっしょにやりましょうよ」と言ったか言わぬかわからないが、とにかく今年は記念すべき初の共同開催なのである。


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中華系は左、そば・うどん系は右


会場内は予想以上の混雑ぶりだった。2カ月前にまったく同じ場所で行われた「国際ブックフェア」はこんなに混んでなかったな。


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デパ地下並みの混雑


ダイナミックな看板に目を奪われる

このイベントは、簡単にいえば業界向けの展示会。材料や関連機器を売る専門業者が、店のオーナーに商品をPRする場である。各所で商談らしきものも散見される。


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業務用ラーメンスープ


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だしの基本、かつおぶし


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自動ゆで上げマシン(142万円〜)


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ざるのことならタクミへ


しかし、関係のない僕などが見ていてもまったく飽きない。なかでも、今回いちばん感動したのは新潟のメーカー、明電光が出品していた「動く“麺”看板」。


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クリックで動画が見られます


ディズニーランドのアトラクションを思わせる、大胆かつファニーな動き。部屋のインテリアにどうかしら。


いよいよまみれます


会場内にはご覧のように食堂コーナーもあるが、やはり気になるのは各社がしのぎをけずる試食ブースだ。


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こちらも人気ですが


そば、うどん、中華麺。試行錯誤を重ねて作られたあらゆる麺の新作が、様々な調理法で供される。これがまた、どれも美味い…。


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「真麺許皆伝」という日清の新作麺を使った梅和えうどん


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麺まみれになった瞬間


その他、そばを使用した酒類も味わえる。キラリと光ったのはサッポロのブース。北海道富良野産の「キタワセソバ」で作られたそば焼酎を炭酸水で割ったハイボールが本当に美味かった。ちなみに、試食試飲はすべて無料。

申し訳ないので、再度言います。本当に美味かった。


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完全に立ち飲み屋の風情


ちなみに、食堂や各ブースで酒を飲んでいる人がやたら多い。完全に酔っぱらっているおじさんもいる。麺と酒、やはり相性がいいようだ。


その他のプチ情報


麺を使ったレシピコンテストも行われていた。エントリー作品のひとつに「オマール海老の中華炒めと揚げそば」という「そりゃ、美味いだろうけど…」というものがあって驚く。麺の世界は寛容なのだろう。


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そばを揚げているのがポイント


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福引きの景品はメンマ


また、そば協会が推す「そばの日は」10月8日。中華協会が推す中華の日は「毎月15日」だった。こういうところにも、中華のぐいぐい行くかんじが表われているのではないか。


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年に1回


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月に1回


「ラーメン音頭」との遭遇


さらに会場内をぶらぶら歩いていると、ラーメン店的なコスプレをした女性がいた。聞けば、彼女は歌手の藤洋子さんという方。10月15日に出す新曲「ラーメン音頭」をPRしているそうだ。

歌詞を見せてもらったら、「世界 人類 麺類 ソレ…」というサビがリフレインする非常にヌードル度が高い歌だった。


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手に持っているのは「ラーメン音頭」の歌詞


藤さんいわく「わたし、ラーメンが大好きで毎日食べてるんですよ。いちばん好きなのはタンタンメン。でも、最近は健康に気を遣って野菜ラーメンにしています」。CDは1200円。全国中華料理生活衛生同業組合連合会推奨です。


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サインもいただきました


最後に「そば打ち名人大会」を見学。皆さん、そば屋ではない。いわゆるノンプロの頂上決戦である。

 

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制限時間40分で打ち終えなければならない


そば粉をふるいにかけるところから始まり、水まわし(粉と水を合わせる)、こね、のし、そして切る。そば打ちをちゃんと見たのは初めてだったが、素人には肉体的にキツそうだ。その証拠に全員スニーカーを履いている。エクササイズに近い。


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麺、麺、麺、麺


なぜかビートルズのイージーリスニング調メドレーが流れる中、緊迫した雰囲気で試合は進む。優勝したのは、なんと女性だった。おめでとうございます。


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[まとめ]

麺まみれになり、ささやかな夢はかなった。どの麺も美味かった。しかし、何よりもふだん何気なく食べている麺料理は、店の店主が膨大な種類の麺、道具、機器などの中から厳選し、組み合わせた素材と調理法で出されているんだということがよくわかった。今回はブース数も盛り上がりもそば・うどん派が優勢だったので、来年は中華派にもがんばってほしい。


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チラシもこんなに集まりました



«プリクラを通じて仲良くなりたい